「どうやって痩せたん? なんか薬とか使ったん?」
140kgから78kgまで痩せたとき、
周囲からそんなふうに聞かれることが何度かありました。
正直、私は“薬で痩せる”という発想がなかったので、
「なんのことやろ?」と思って調べてみたら…出てきたのがマンジャロ。
“打てば痩せる”“食欲がなくなる”
そんな情報が並んでいて、驚きました。
でも私は、薬を使わずに習慣を変えて痩せたタイプです。
この記事では、以下のことをお伝えします。
- なぜ私は薬を選ばなかったのか
- 自分の習慣でどう変わったのか
- それでも「マンジャロを考える人」に伝えたいこと
薬で痩せたの?」と聞かれて初めて知った“マンジャロ”
小さい頃からずっと太っていて、気づけば140kg。
誰がどう見ても「太りすぎ」と一目でわかる体型でした。

肥満度を示す「BMI(体格指数)」。
30を超えると“肥満”と判定されますが、当時の私は BMI47.8。
もう、余裕で“スーパー肥満”。
(ちなみにBMIの計算式は、体重(kg) ÷ 身長(m)²)
私の場合、171cmで140kgだったので、まさにそのレベルです。
そんな私が 78kgまでダイエットに成功したとき、
周囲の反応は本当にさまざまでした。
中でも何人かに言われたのが、
「え、薬使ったん?」「病気かなんか?」という言葉。
たしかに、あれだけ太っていたら医者から
「痩せなさい」と言われて、薬を出されたと思われても不思議じゃない。
でも私はそのとき、こう思いました。
「え、薬?そんなので痩せれるの?…そんな話ある?」そして気になって調べて出てきたのが、
“マンジャロ”という名前の薬でした。
調べてわかった、マンジャロとはどんな薬か
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、もともと2型糖尿病の治療薬として開発された注射薬です。
2023年に日本でも承認され、近年ではその体重減少効果に注目が集まり、
“痩せる注射”としてSNSやテレビなどでも話題になるようになりました。
マンジャロは、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬という2つのホルモンに作用する仕組みで、
血糖値のコントロールだけでなく、食欲の抑制や胃の排出スピードの低下などを引き起こすことが知られています。
この働きにより、結果として体重減少を後押しする形になるのです。
出典:やまおか内科クリニック|2型糖尿病の新薬「マンジャロ(GIP/GLP-1受容体作動薬)」について解説
• URL:https://y-naika-clinic.com/2023/04/29/tirzepatide-mounjaro/
保険が効く?効かない?マンジャロの処方区分
マンジャロは医師によって処方される薬ですが、その目的によって保険適用かどうかが分かれます。
使用目的 | 保険適用の有無 | 備考 |
2型糖尿病の治療 | ◯(保険適用) | 医師が必要と判断した場合、保険診療で処方可能。 |
肥満症の治療 | △(場合により適用) | BMI25以上かつ、高血圧や脂質異常などの合併症があると判断された場合に保険適用の可能性あり。 |
美容・ダイエット目的のみ | ✕(自由診療) | 完全自費。1ヶ月あたり数万円の自己負担になることも。 |
出典:日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
• URL:https://www.jasso.or.jp/obesity/guideline.ht
副作用やリスクについても理解を
医薬品である以上、副作用のリスクもゼロではありません。
吐き気、下痢、便秘、食欲不振、倦怠感などの消化器症状が報告されており、
体質や持病によっては使用できない場合もあります。
そのため、必ず医師と相談のうえ、必要性を慎重に判断することが前提となります。
出典:PMDA 医薬品医療機器総合機構|医薬品インタビューフォーム(マンジャロ)
• URL:https://www.pmda.go.jp
飲むだけで痩せるわけではない
「注射を打つだけで勝手に痩せる」と思われがちですが、
実際には、食事の見直しや運動の継続も併せて必要です。
確かに食欲が抑えられる分、食事量が自然と減る人もいます。
ですが、偏った食生活を続けたり、活動量が極端に少ないままだと
期待するほど体重が落ちないケースもあると報告されています。
マンジャロは、医学的に必要な人にとっては体重減少を助ける“手段のひとつ”。
でも、決して「魔法の薬」ではないし、使えば何もしなくていいというものでもありません。
使うか使わないかは自由ですが、正しい情報とリスクを理解したうえで
選択することが何より大切だと感じました。
出典:厚生労働省|肥満と生活習慣病
URL:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-001.html
もしあの時、マンジャロを知っていたら…
もし140kg時代の私が、“痩せる注射”としてのマンジャロの存在を知っていたらどうしていたか。
その答えは、「使わない」です。
私がダイエットを始めた理由は、
「30歳になるまでに“何かをやり切った”経験を作りたい」という思いからでした。
そして、周囲からも変化が最もわかりやすいのが“体型”だと思い、ダイエットに取り組みました。
つまり、ダイエットは“目的を達成するための手段の一つ”でしかなかったんです。
逆に、もし目的が「健康診断で医師から痩せろと言われたから」だったら、
短期間で体重を落とせる選択肢としてマンジャロを使うことも考えたかもしれません。
でも私の場合、目的が「自分自身でやり切ったという達成感を得ること」だったので、
マンジャロを知っていたとしても、“自力”でのダイエットを選んでいたと思います。
「自力」と「マンジャロ」それぞれのメリット・デメリット
自力で痩せた私が、自力とマンジャロ。
”痩せる”ことを目標にアプローチが違うそれぞれのメリットデメリットをお伝えします。
- 習慣が変わる
- 食事への意識が変わる
- 自信がつく
一番のメリットは、やはり「習慣が変わったこと」です。
かつての私は“健康”とは真逆の生活をしていました。
ですが、痩せるために選んだ行動はすべて、
結果的に“健康を得るための習慣”へと自然に変わっていきました。
- 結果が出るまでに時間がかかる
- 情報が多すぎて迷う
- モチベーションが保ちにくい
私は最終的に、1年半で62kgの減量に成功しました。
当時はとにかくがむしゃらで、「つらい」と感じる間もなかった気がします。
でも今振り返ると、「あの頃の自分、よくやったな」と素直に思います。
20年以上太っていた自分が、1年半で変われた。
長いようで、人生から見ればほんの“ひと区切り”。
あの経験は、私にとって“自信”そのものになっています。
- 食欲が自然と抑えられる
- 体重減少のスピードが早い傾向がある
- 医師のサポートを受けながら進められる安心感がある
注射を打つだけで、自然と食欲が減る――。
これがマンジャロの大きな特徴です。
実際に、“無理に我慢しなくても食事量が減った”という声も多く、
自力でダイエットに苦しんでいた人からすれば、
「これなら続けられるかも」と思える手段の一つになると思います。
さらに医師と相談しながら進めることで、
ある程度安全性や健康面の管理がされているという安心感もあります。
- 副作用のリスクがある(吐き気・だるさなど)
- 自由診療だと費用が高額になることも
- 薬をやめた後、生活習慣が変わっていなければリバウンドする可能性がある
一番の懸念は、やはり「薬に頼りすぎること」かもしれません。
食欲は抑えられても、「なぜ太ったか」の原因が変わらなければ、
やめた後にリバウンドする可能性も十分あります。
また、副作用として吐き気・下痢・倦怠感などの報告もあり、
人によっては身体に合わないこともあるようです。
そして、自由診療の場合は1ヶ月で数万円かかるケースもあります。
継続には経済的な負担もつきまとうのが現実です。
「ちなみに、自力ダイエット」でかかった費用は
プロテイン代やジム代などで月1.5万〜2万円ほど使って、1年半で約30万円。
仮にマンジャロを自由診療で使ってたら、月3〜5万円×期間分…
たとえば半年なら18万円~30万円、1年使えば最大で60万円近くかかることもあります。
マンジャロは“痩せるための選択肢”のひとつ
マンジャロを使って痩せることは、決して悪いことではありません。
医学的な判断のもと、適切に使えば「体重を落とす手段のひとつ」になり得ます。
ただし、重要なのは「使うことそのもの」ではなく、
「使っている期間にどれだけ生活習慣を変えられるか」だと私は思います。
もし薬の力で体重が落ちても、これまでの食生活や運動習慣が変わっていなければ、
やめた途端にリバウンドする可能性は高くなります。
そうなると、「費用をかけて、つらい副作用も乗り越えたのに、思い描いていた未来とは違っていた…」という残念な結果になってしまうかもしれません。
マンジャロはあくまで“選択肢のひとつ”。
使うかどうかは自由ですが、正しい知識とリスクを理解した上で、
自分の意思で選ぶことが何よりも大切だと感じます。
薬じゃなく“自分”で変わることもできる
マンジャロのような薬が登場したことで、
「痩せたいけど、どうしても自分では無理かも…」という人にとって
選択肢が広がったことは間違いありません。
でも私は、薬を使わずに自分の習慣を変えることで、
62kgのダイエットに成功しました。
時間もかかったし、うまくいかない時期もありました。
けれど振り返ってみると、それら全部が“自信”に変わっているのを実感しています。
もしあなたが今、
「マンジャロに頼ろうかな」と迷っているなら、
一度だけ“自分で変える”という選択も、視野に入れてみてほしい。
実際にそれをやってきた私が、あなたの食事や習慣改善をサポートすることもできます。
まずは「生活をちょっと変える」ことから、一緒に始めてみませんか?
※本記事は以下の信頼性の高い公的資料・医薬品情報を参考に執筆しています。
- やまおか内科クリニック|2型糖尿病の新薬
- 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
- PMDA「医薬品インタビューフォーム」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」肥満と生活習慣病
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